それでは次に、顎関節の仕組みについてみてみましょう。私たち人間
にとって、物を食べたり会話をしたりと、顎関節の動きはとても重要
なライフラインです。
よく我々の関節の事を”蝶番”と呼びますね。蝶番というのは、2つ
の物事を繋ぎとめる存在になるもので、開き戸や開き蓋などを支え、
自由に開閉出来るように取り付ける金具などを示します。これは形が
蝶に似ている場合が多いのに加え、その動きが蝶が羽を開いたり閉じ
たりするのとそっくりだからだそうです。
ところが、顎関節の場合は、本当の蝶番のように回転運動だけをして
いる訳ではなく、関節の軸になっている下顎頭が、口を大きく開ける
時には前方に移動するという特殊な機能を持っています。そして、
軸受けになっている下顎頭から回転して下顎頭がはずれ、前方にずれる
事で口が開き、閉じようとすると下顎頭は後ろに移動して下顎窩の中
に収まる仕組みとなっているのです。時々”顎が外れた〜!”と大騒ぎ
している人を見かけますが、あれは顎頭が前方に移動したまま元に戻れ
なくなった状態で、決して本当に顎が外れている訳ではありません。
因みに、口の開き具合を上下の前歯の間の距離で表すと、下顎頭が軸
受けとなる下顎窩の中に収まったままで回転だけをした時には30o程度
しか開かないのに対し、下顎頭が前方に出る事によって45oから55oも
ひらくようになります。
この時活躍するのが「開口筋」と呼ばれる首の前の筋肉で、顎の下に
ある舌骨上筋、舌骨下筋、胸鎖乳突筋です。